さて、ベンチャー企業で働くには、いくつかの「適性」が必要です。
それは、どんなものでしょうか?
下のグラフは、「ベンチャー企業を就職先として考えた場合、最も不安だと感じることは?」という質問に対するアンケート結果です。
各項目はベンチャー企業の不安定要素が端的に表れており、どれも当たっています。

ですが、この条件の一つひとつに挫けては、ベンチャーで働くことはできません。
たとえば、最も多い「経営が安定していない」という回答。そもそも、未熟な会社を成長させようとしているのがベンチャー企業です。将来起業を考える人には、どう経営を安定させていくかを学ぶ絶好の場ではないでしょうか。「将来が不安」であれば、逆に将来を自ら作り出せる機会がたくさんあるということです。
ベンチャー企業に就職し、世の中に新しい価値を作り出したい、己を成長させたいと考えている人なら、ここで挙げた不安要素は、むしろ「就職先の条件だ」と考えられるくらいの心構えが必要でしょう。
キャリアプランに対する考え方も、大企業とベンチャー企業とでは大きく異なります。
大企業では、今でも実質的には終身雇用制が続いています。就職すれば、○歳には係長、△歳で部長……と会社側がある程度のキャリアプランを提示してくれます。
しかし、ベンチャー企業で終身雇用制をうたっている会社は、ほとんど皆無です。キャリアプランは、自分ですべて決めなければなりません。その代わり、「会社とWIN-WINの関係を保ちながら自分のキャリアプランを実現させられるなら、いくらでも会社を利用して!」というのが多くのベンチャー企業の考え方です。
なぜ、ベンチャー企業は日々成長するのでしょう?
それは、日々の仕事で発生した課題や欠点を発見して、解決する。また新しい問題を解決し、実行して……というサイクルを繰り返しているからです。もし、ベンチャー企業で働いていて「今日は何も問題がなかった」と思う人がいたら、それ自体が問題でしょう。
ですから、この問題発見・解決の作業が得意であると同時に「好き」であることが重要です。そういう人が、会社と自分自身を成長させることができるのです。
社会人には、2つの時間があります。公(仕事)の時間と私(プライベート)の時間です。
ベンチャー企業の社員は、いくら仕事が忙しくても「会社にやらされている」のではなく「自分のためにやっている」と捉えています。ですから、プライベートで利用できたはずの時間が仕事に回っても、苦にはならないのです。

これを「適性」として捉えるなら、数年間を公私共に会社に投資していいと思えるかどうかになるでしょう。大変なように思えますが、公私を意識せず打ち込める仕事が見つかれば、すばらしいことではないでしょうか?
最後にひとつ。それは「これだけは人に負けない」と自信を持てるものがあるかどうかです。
企画書作りの才能でも、テレアポの達人でも、抜群の営業力でもかまいません。とにかく、これだけは絶対に負けないという点をひとつアピールできることが大切なのです。
ただ、今の自分にないからといって、落ち込むことはありません。「いま、何ができるか」よりも、今後の成長性を考慮したうえで、自分はどんな強みを武器にできそうか考えられればよいのです。
最後にひとつ。無事に入社できたからといっても、「ずっとベンチャー向き」というわけではありません。なぜなら、企業はステージごとに変化するからです。

ですから、ベンチャー企業で働きたいという人は「ポータブルスキル」を身につけてください。どんなビジネスでも通用する普遍的なスキル。それは外国語かもしれませんし、あるいは財務知識かもしれません。
何がポータブルスキルなのかは、自分で発見するしかありません。このことを自覚していれば、入社後も意識を持って働くことができるのではないでしょうか?




